僕の漫画の守備範囲は結構広い。面白いと思えるものなら少女マンガでも児童向けでも絵がド下手でもウェブ漫画でもなんでも来いの雑食だ。なので昨日TLにこんな一文が流れてきたときは、夜中の三時でもリンクを開かずにはいられなかった。寝て起きて忘れるのが怖かった。
「RBB(park3.wakwak.com/~ss-saito/ori/…)ってWebマンガ、絶対面白いから見てねー」ってツイートに従って読んだ。テーマは結構面白かった。他にどんなの描いてるのかなと思ってトップページ行ってみたら…3年程前にまだ若くしてお亡くなりになっていた模様…。安らかに…
— (あんちべ 俺がS式だ!) (@AntiBayesian) April 20, 2013
読む前から作者の高藤かおるさんが亡くなっていたことはあんちべさんのつぶやきから分かっていたのに、話に引き込まれるにつれてこのなかなかに面白い、ちょっと変わった話を書いた人がもういないことに喪失感を覚えた。
今日友人達と暇を潰していたときにこの漫画の話をしたら、一緒にいたうちの一人が、まだ作者が存命だったころにこの漫画を見つけて読んでいたことを知った。彼がまだ学生だった頃らしいから、3~4年前だ。そういう僕等の時間が流れて紡ぎ合わされる中で共有されているこの作品、それを書いた人が密かにその流れから抜け落ちていたことを知り、なお虚しくなった。
去年友人のブログで「人って死ぬよなあ」という言葉を知ったのだけど、当時はあまりしっくりとこなかった。身内や友人を寿命や病気や自殺で失ったことはあるのに、なぜだかピンと来なかった。けど今こうしてもう二度と更新されないウェブサイトを見て、彼(女)の粗いけど惹きつけられる作品を読んで、もう新しいものは生まれないんだと思うと、ほつれて先が三本に枝割れした糸が頭に浮かんだ。この先いろんな道があったけど、唐突にふと終わってしまった。
三人で道を歩いていて、そのうち一人がいつの間にか一歩半下がったところを歩くようになって、気づいたらふっと居なくなっている。映画のワンシーンのように激しく嘔吐く悲しみは無いけど、とてもとても寂しい。