アメリカも早くも大晦日。というわけでみんなの流れに乗って、今年読んだ本のまとめです。ニート期間中はかなり読めたけど学生に戻ってからは全く読めなかったのが反省点。
総53冊。英語が34冊、日本語が19冊。その内、ラノベが9冊。100冊行けるかと思ったけど後半に大失速。
ノンフィクションが15冊、フィクションが38冊。人生で一番フィクションを読んだ年だった。来年は数を落としてもいいからCatch22などの長いフィクションを読むようにしたい。
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Republic Lost - Lawrence Lessig
著名法学部教授で活動家のレシッグ教授によるアメリカの「政治と金」の本。題材はアメリカの企業と政府ですが、結構世界中で当てはまるんじゃないかな。 -
The Giver (和訳) - Lois Lowry:
六年生の時に課題に出た本だけど、大学の応募資料の「一番好きな本」の項目に書いたほど印象に残った本。ライトSF。15年後に読んでも良作だった。 -
Fixing the Game - Roger L. Martin
アメリカの金融システムがいかに壊れてるか。まあこういう本いっぱい出てるけど、アメフトのNFLから解を得てるのはこの本くらいだろう。けど具体的は解決へのアプローチを示さないところがレシッグ教授との大きな違い。 -
パーフェクト・ブルー - 宮部みゆき
登場人物がやさしい人達だったのを覚えてる。 -
The Bonfire of the Vanities (和訳) - Tom Wolfe
80年代のNYで一人の金融スターが事件に巻き込まれて堕ちていく様を描いたストーリー。原文は描写がヤバい。本当にNYの光と闇を見ているように錯覚する。 -
トリニティ・ブラッド - 吉田直
トライガンを連想させられた。いたって普通な昼行灯ヒーロー系ラノベ。 -
What Money Can't Buy (和訳)- Michael Sandel
物事を金換算するとそのものの本質自体が変わってしまうことを説いた本。例えば友達をただで空港まで車で送っていくのは全然構わないけど、「$10あげるから」といわれると途端にいやになったり。「世の中金じゃねえんだよ!」とよく言うけど、そのとおりみたい。 -
A Farewell to Arms (和訳) - Ernest Hemingway
言わずとも、な名作。読んでて心が痛くなった。 -
半分の月がのぼる空 (2ー8) - 橋本紡
さすがにこういう青臭い思春期ものを読むには年を取りすぎたかなと思ったり。 -
ヴェイスの盲点 - 野尻方介
こういう硬派なSFもいいね。 -
博士が愛した数式 - 小川洋子
登場人物がみな心やさしくて読んでてほのぼのした。 -
龍は眠る - 宮部みゆき
この時期は宮部みゆきに明らかにハマってた(笑)。疲れずに読めるのが吉。 -
夜行観覧車 - 港かなえ
友人に勧められて読んだ本。人間の汚さと闇が怖い。リアル過ぎるでしょう、これ。 -
死をどう生きたか - 日野原重明
Aaron Swartzの自殺をしてからは自分の生について考えることが多くなったので手にとってみた。医療用語とキリスト教用語の嵐なのでカジュアルに読むにはつらかった。 -
火車 - 宮部みゆき
今リボ払いがちょっと問題になってるけど、そのずっと前の消費者金融問題を題材にしたミステリー。やはりこの人の本は読みやすい。 -
ディバイデッド・フロント - 高瀬 彼方
王道的なボーイ・ミーツ・ガール、アクションラノベ。文章も展開もありきたり過ぎてげんなり。 -
Lester Land - Lawrence Lessig
Republic, Lostの続編的な本。前作より短く、ご近所さんにすすめやすくなっている。ちなみに同タイトルのTEDトークは100万再生以上されている。 -
The Perdators' Ball (和訳)- Connie Bruck
ジャンクボンド界の王だったMichael Milkenを追った本。ジャーナリズムとしてはすごいけどストーリー性がちょっと低いのが難。金融史を知る上では避けては通れない本。 -
The Will to Lead - Marvin Bower
現在のマッキンゼーを作ったバウアー氏が唱えた経営論。モラルと責任感、プロフェッショナリズムに溢れた人物。 -
君にしか聞こえない - 乙一
独特な作風がかなり好き。というか好きな作家の一人。 -
幻色江戸ごよみ - 宮部みゆき
時代劇テイストとライトミステリー。 -
初ものがたり - 宮部みゆき
上記同。 -
Fahrenheit 451 (和訳) - Ray Bradbury:
SF名作。高校の課題だったが当時は80pくらいしか読まなかった。焦りとパニックの描写が逸材。 -
Free as in Freedom - Sam Williams:
フリーソフトウェアの発案者でFSFの創設者、言わずとしれた、ひげおじさんストールマンの伝記。 -
The Cathedral and the Bazaar (和訳) - Eric Raymond
OSS界隈に片足を突っ込むようになったので読んでみた。なぜOSSは優れているか、なぜこの開発スタイルが成功したかなどがかかれている。 -
Gathering Blue (和訳) - Lois Lowry
The Giverの続編。前作には敵わない。ちなみに読みやすいので英語勉強用には向いてるかも。 -
The Messenger - Lois Lowry
The Giver三部作の三作目。上記参照。 -
Deadeye Dick(和訳) - Kurt Vonnegut
有名へんてこSF作家である著者。毎作毎作珍妙な話のなかに「おっ」とするフレーズを混ぜ込めるのがすごい。 -
South of the Border, West of the Sun (原作) - Haruki Murakami
去年原作を読んだので今度は英訳版。非常にいい英訳で、作者のスタイルを維持しているけど、いくつか主人公が言いそうにないフレーズがあったので90点。 -
The Time Machine(和訳) - H.G. Wells
19世紀に書かれたとは思えないSF。 -
The HP Way(和訳) - David Packard
HP創設者によるHPの思想と歴史の本。最初は2次大戦用の軍事テクノロジー開発が主な活動だった(これはどのSVの会社を同じ)。現在のHPの迷走っぷりが分かる。 -
Sirens of Titan(和訳) - Kurt Vonnegut
個人的には著者の作品で一番好きな本。 -
The Dog Stars - Peter Heller
核戦争後の世紀末な環境で真人間でパイロットの主人公が飼い犬と銃マニアなクレイジーな仲間と生きていく話。The Incomparableというギークポッドキャストの面々が勧めていたので読んだのだが、非常によかった。 -
The Great Big Beautiful Tomorrow - Cory Doctorow
内容覚えてない。 -
The Road(和訳)- Cormac McCarthy
今まで読んだ中で一番救いようが無く、悲惨で、壮絶に書かれた、死んで行く世界の中で生き永らえようとする父子の話。読んだら落ち込むこと必至。同じくThe Incomparable推奨。 -
The Rook - Daniel O'Malley
007とアメコミスーパーヒーローものを組み合わせたような小説。爽快。またもThe Incomparable推奨。 -
Flow My Tears, The Policeman Said (和訳)- Philip K. Dick
SFの王道。読んだこと無かったので。表現力な構成が素晴らしい。 -
Do Androids Dream of Electric Sheep? (和訳)- Philip K. Dick
同上。 -
Daisy Miller (和訳) - Henry James
友人がHenry Jamesのファンだというので読んでみた短篇小説。19世紀の上流階級の話なので、日本で言うなら漫画の「エマ」的な設定。(この話は確かイギリス人の男とやんちゃなアメリカ人の少女の話だったと思う) -
From the Dust Returned (和訳) - Ray Bradbury
SFで知られるBradburyが書いた吸血鬼一族の話。 -
The Billionaire Who Wasn't - Conor O'Clery
4000億円相当を稼ぎ、既にそのほぼ全てを寄付したビジネスマンの伝記。 -
Twilight of the Elites - Christopher Hayes
アメリカのエリートの超競争志向良くないよ、と自身もエリートである著者が諭す本。今年読んだ本の中で最も心に残った本の一つ。 -
The Three Stigmata of Palmer Eldritch - Philip K. Dick
またもPKDによるSF。かなりイミフな内容だった -
Democracy Despite Itself - Daniel Oppenheimer
僕の教授(行動心理学者)の著書。アメリカの民主主義はぶっ壊れたシステムのはずなのに、なぜ意外と良く機能するのかを心理学の観点から書いた本。ストーリー性よりサイエンス重視な構成。 -
Team Geek (和訳) - Brian Fitzpatrick & Ben Collins-Sussman
エンジニアのチームワークの本。エンジニアでなくとも技術チームのいる組織に属しているなら読んで損は無いと思う。