2013-03-15

退職しました。

二年二ヶ月という期間は僕自身の感覚でも短めだとは思うのですが、最近のSV事情からするとまあ平均的な在職期間なのではないかと思います。

その二年強という短い時間で複数のファンクションを経験させてもらったのはありがたかったです。前職では「10年は無理だ」と言われた製品マーケティング業に初日から関わり、一年後にはハードウェアからソフトウェア側への移行ができ、振り返ってみるとキャリアの転機としてはとても有意義な2年間でした。色々と山あり谷ありなこともありましたが、最終的にはこの社内転職を可能にしてくれた現上司と前VPには感謝しています。特に前VPの「若いやつは若いうちにいろんなファンクションを経験しろ」という寛大なスタンスと、現上司の「PM経験が無くても地頭があってディテールに注意が行くやつなら大丈夫だ」という信頼によってこの先の幅が広がりました。前VPは正直皆「あの人なんの仕事してるんだろう」と思われるような人だったのですが、厳しい外面とは裏腹にとても面倒見が良く、そこは今後大いに見習いたいです。

前職は日本の超優良企業だったのですが、僕にはSVの中小企業の決して華やかではないものの、同僚と面白おかしく気ままに話し、自由なスケジュールで働き、腕をぶらぶら振り回しながら生きていける今の環境が一番合ってるなと実感しました。本社〜150人の内、サンダルを履いていたのは僕だけでしたが、同僚の「お前それはどうかと思うぞ(笑)」以上の指摘は一度もありませんでした。

エンジニアからマネジメント側に移り、もう二度と本業ではエンジニアになることはないだろうと思うと寂しいのですが、プロジェクトマネージャーととしてでチームのエンジニア達を日々押し寄せる営業部隊の勝手な要望から守るという役割は自分でもよくわからないくらい得意だったので、半端者ながらそれなりにいい仕事が出来たのではないかと思います。エンジニアチームの面々から僕のほうが前任の、僕よりも経験も技術力もあるPMよりも10倍頼りになると言われたのが一番嬉しかったですね。これから先何が待っているか分からないですが、エンジニアが楽に気ままに自由に仕事が出来ることに貢献したいと思っています。

自分の関わったものがお客さんの製品に組み込まれ、それが市場に出て購入できるようになるというのも初めての経験でした。いいものにデザイン・インしてもらえるとやっぱり嬉しいですね。多分そういうすばらしい製品って全プロジェクトの1割にも満たないのですが、その1割だけでも次へのエネルギーになるということを実感できました。

同僚

自分の仕事を楽しめるかは、仕事内容そのものよりも同僚や上司との関係のほうが重要なのではないかと気づいたのもこの一年間くらいのことです。個性豊かで気のいい、ネジが飛んでてお互いくだらないジョークで笑い合った同僚が多くいた中、特に気が合って印象に残っているのは:

  • ウィキペディアを仕事中に一日中見ているインド人エンジニア(ただし退社時間は23時で、仕事はちゃんとしている)
  • 文法にものすごくうるさい、超絶陽気で憎めないフィリピン系アメリカ人の新卒エンジニア
  • 下ネタ満載のイタリア人マネージャー
  • 火を吹いたりテレポートしたりできるんじゃないかと思える、悟りを開いた感じのインド人ハードウェアエンジニア
  • 気がつくと、やりたくない仕事を押しつけられてしまう敏腕インド系カナダ人マーケター(別名「要注意人物#1」。ちなみに僕意外に本社で日本語が喋れるのはなぜかこの人だった)
  • 絵に描いたような超絶仕事が早い片言英語の中国系ドライバエンジニア
  • 二言めには『中国語を学ぶなら中国人の彼女を作れよ(笑)』としきりに言ってきた中国系ハードウェアマネージャー
  • 『言動は40代、外見は30代、実年齢は20代』の新卒エンジニア
  • どう考えてもドラッグでもキメてるんじゃないかと思える、ぶっ飛んだ広報担当
  • 大学時代は超絶イケメンだったのに今は小太りになってしまった、話が全社で一番面白い元レンタカー会社勤務の若い営業の兄ちゃん
  • 通称『ジェダイマスター』、長髪オールバックポニーテールのなんでも作れるテスト装置担当エンジニア

まあ僕自身いろいろとおかしい人間なので、きっと似たような感じで覚えられていることでしょう(笑)。退職すると仕事仲間と会うことってほとんどなくなるのが普通なのですが、5、6人くらいはこれからもプライベートでもたまにつるんだりするんじゃないかと思います。そういう面でも、変人ぞろいのこの会社に偶然入社したことには感謝しています。

職場でこのブログ記事を読める人はいないのですが(日本支社の人除く。。。)、みなさんありがとうございました。

今後

さて今後の身の振り方ですが...半年ほどニートします!

ニートになった今、このブログの更新頻度も上がるはず!(切望)

今後ともよろしくお願いします。

2013-03-05

先月、二年半ぶりに日本を訪問する機会があったので、感想とまとめです。

日本のトイレは世界一

やっぱり日本のトイレは清潔さは類を見ないですね。デパートやホテルの施設はもちろんのこと、新幹線や空港のトイレは感動ものですし、数が多いのもありがたい。駅ならちょっと過疎ってる駅もトイレがあるのはありがたいです(フランスなんかだと駅にトイレが無くて悲惨な目にあったりするので)。

ちょっと具体的過ぎるかもしれませんが、便座のデザインも非常に洗練されていて機能的ですばらしいですね。男性用の小便器も床まで届くタイプは数多ある小便器のデザインの中でもナンバーワンだと思います。なんであれが世界標準じゃないんでしょうか。

電車最高

のぞみが5分に一本出るとか、う○こCalTrain使用者からするともう意味不明ですね。ビジターとしては日本は「線」の移動、アメリカは点から点へ飛行機で飛ぶタイプの移動がメインなんだなーと感じます。

けど日本は新幹線+メジャーなローカル線の移動範囲から外れると突然移動効率が悪くなるんだろうなと思います(まあ仕事や旅行で来る人がそんなところに行くこと自体あまり無いとは思いますが。アメリカは逆に空港から車を借りるまでの流れがかなり効率化されているので、よくわからない所に飛行機+車で行くのが比較的楽ですね。

街頭演説

あれが合法というのがよくわからない。。。

安いご飯がうまい

500円〜4000円くらいのご飯のコスパがすごくいいです。けど6000円〜20000円のレンジだとアメリカのほうがコスパがいいな〜とは思います。

あれ?でも$200のご飯こっちで食べたことないぞ?(笑)

東京のスーツロイド達は相変わらず目が死んでいた

みなさんおつかれさまです(合掌)。それにしても、半死人みたいな人たちに日々囲まれて街を歩き電車で行き来する生活は健康的とは言えないですね。。。

18ヶ月ぶりに服を購入

ユニクロでポロシャツを4点購入。アメリカだといまいちサイズが合わないんですよね。2千円でシンプルなデザインでしっかりした生地のものが買えるのはすばらしい。

正の外部性が多い

Postive Externality(外部経済)[1]が日本は非常に多いんじゃないかと思います。コンビニから本屋までありとあらゆるお店で受けれる高い質のサービス、時間通りに動く電車ダイヤ、清潔な町や歩道、無理難題を聞いてくれる窓口担当に方々(JRのお兄さん、どうもありがとうございました)などに対してそれ相応の対価を払っていないと思います。なので〇〇円で得られる「価値」が他の国より高いのではないかと思います。

けど消費者にはとてもありがたいこのシステム、生産側にはたまったものじゃないと思います。だって苦労して「創った」このサービスなどに対価をもらえないっていうことは、もらえるはずのお金をもらえてないっていうことなんですよね。なので、働いた割には報酬が少ないっていう状態がいろんな業界に見られるのも納得できる気がします。旅行者にはとてもいい国ですね(遠い目)。

「社会の枠」から外れた関係だと話しやすい

年上の方でも、プライベートな関係というか、1対1の関係だと気さくに話せるんですが、「会社の同僚」や「先輩」だったりするととたんにぎこちなくなるんですよね。。。困ったもんです。

どの社会でもみんな多かれ少なかれ社会的枠組みごとに「仮面」を被ると思うのですが、日本は特にその色が強いのかなと感じます。僕自身もそれに合わせようとして柄にもなく自己規制している感じです。

「マフラーで髪がモフモフしている女子高生の破壊力」

噂に違わぬ破壊力でした。眼福でした。ごちそうさまでした。


[1] Wikipedia: 外部性

2013-02-22

僕は技術的には素人に毛が生えた程度なのですが、Fluentdのちょっとしたお手伝いなどをしていることもあって、日本のハッカーコミュニティの方たちとツイッターなどでお話することが最近増えています。そんな背景もあって、テクニカルブログの新記事がTL上で流れてくると、読んでも内容なんて全然わからないのに読んだりしています。そんな中、宮川さんのポッドキャスト関連のつぶやきがTLに流れてきたので、「ちょっときいてみようかな」という軽い気持ちで外出についでに聞いてみました。

やっぱり話の内容は9割がた分からないのですが、聞いててなんだか面白いですし、聞きやすいですね。それに宮川さんの声がちょっとプロのラジオパーソナリティの方のような声質なので、非常に聞き心地(?)が良いです。次のエピーソドが楽しみですし、自分でもちょっとポッドキャストとかやってみたいかなー、とも思っちゃいました(まあネタやテーマもないんですけどね)。

で、この記事のタイトルにもある「寿司ナチ」の話になるのですが、ポッドキャストの第二話の話にRailsの"Rails is Omakase"の話題で出てくるジョークです[1]。さてこの「寿司ナチ」ですが、文脈から察するにこのブログ記事に対する米ハッカー達の皮肉なのでしょう。なぜ「米ハッカー」と特定できるのかというと、この「寿司ナチ」はアメリカの名コメディ、"Seinfeld"の有名な「スープナチ」というキャラが原点である可能性が非常に高いからです。プログラミングとアメリカコメディ、日米のハッカーパーソナリティが交錯する様子を見て 、なんだか面白いものだなと感じた次第です。

追記:宮川さんに返信を頂き、元ネタがこのつぶやきだということが分かりました。ということは「寿司ナチ」は宮川さんのネタということになりますね。「頑固親父」的な表現をするときは「〇〇ナチ」っていう表現は使い勝手がいいかもしれませんね。

追記2:@jseitaさんの情報提供により、2010年に"Sushi Nazi"という言葉がHuffington Postの記事で使われていることが分かりました。

[1] ポッドキャストの13:45あたりにあります